モルガン・スタンレーは2026年6月24日前後に発表したリサーチノートで、中国のヒューマノイドロボット出荷台数予測を大幅に引き上げた。今年の中国国内出荷台数は5万台に達すると見込んでおり、これは従来予測の2万8,000台の2倍、2026年1月時点で同行が示していた1万4,000台という予測の3倍以上にあたる。CNBCがこのレポートを報じている。

この上方修正を大きく後押ししたのが、一件の大型契約だ。国家電網公司が、送電網の保守・点検作業向けに、フルスペックのヒューマノイド500台と追加のロボットユニット8,000台を合わせて、約10億ドル規模で発注したという。国有電力会社からこの規模の受注が入ったこと自体が、中国におけるヒューマノイド調達がすでに小規模な試験導入の段階をはるかに超え、単独の契約だけで国全体の出荷予測を動かし得るほどの規模に達していることを示している。モルガン・スタンレーのノートはまた、物流事業者の順豐速運(SF Express)中国郵政(China Post)における導入拡大にも言及しており、需要の急増が電力業界にとどまらず、小口貨物の取り扱いやラストワンマイル配送のインフラにまで及んでいることをうかがわせる。

長期予測も大幅に上方修正

2026年の出荷台数予測にとどまらず、モルガン・スタンレーは2030年の中国ヒューマノイド市場予測も44万6,000台、市場規模にして約150億ドルへと引き上げた。これは従来の予測から大きく跳ね上がった数字であり、部品コストの低下、国家主導による強力な導入政策(工業情報化部が掲げる2026年末までの商用ユニット1万台超の目標など)、そして電力・物流・製造業にまたがる用途の拡大が、これまでのモデルが想定していたよりも速いペースで積み重なっていくという同行の見方を反映している。

アナリスト予測がなぜ上方修正を続けるのか

わずか半年ほどの間に、予測が1万4,000台から2万8,000台、そして5万台へと繰り返し上方修正されてきたことは、中国のヒューマノイド市場に対する売り手側アナリストの見積もりが、実際の受注動向にいかに急速に対応を迫られてきたかを物語っている。国家電網のような数十億ドル規模の大型契約は、アナリストにとって見方を一変させる出来事として機能する。これほどの規模の受注が一件生まれるだけで、初期採用者だったテック企業以外の企業顧客が、いまや商業規模でヒューマノイドを購入していることが事実上裏付けられ、それが複数年にわたる市場モデルの前提そのものを変えてしまうのだ。この分野を注視するメーカーや投資家にとって、こうしたパターンは、中国のヒューマノイド出荷台数が2026年の残りの期間も上振れサプライズを続ける可能性を示唆している。

ソース
CNBC